Rally Driver Takero Oda 織田岳郎

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2007/06/08 スローイン・ファーストアウトの意味

 世の中には「誰よりも速くなりたい」と日々精進の日々を続ける若き?ドライバーが沢山いることと思います。そんな人達が一度は耳にしたことのある「スローイン・ファーストアウト」言葉の通り訳せば、「ゆっくり(コーナーに)入って、早く脱出しなさいよ」って事になりますが、はたして本当なのでしょうか。

 ご存知の通り、あらゆる車はコーナーリングの限界スピードがあります。バスやトラックは遅いし、F1マシンなんかはむちゃくちゃ速い。一般的に乗用車は100Rくらいのコーナーだと60〜70Km/hくらいでしか曲がれません(経験から来るちょっと怪しい数値)。
それより速いと曲がりきれずにコースアウト、遅いとタイムが出ない。当たり前ですね。

 では、具体的に曲がり始めからコーナーリング開始〜脱出まで、車はどのように動くのでしょうか。

1)ハンドルを切る。
2)タイヤはスリップし、ごくわずかな時間アンダーステア状態に。
3)前タイヤのスリップアングル(抵抗)が発生して、ロールを開始(外側に傾く)。
4)車がハンドルを切った方向に曲がりだす。オーバースピードだと、アウトに膨らむ(→コースアウト)。スピードが限界内なら曲がり続ける。この時タイヤのグリップ力よりパワーがある車はアクセルを全開にできない。
5)コーナーが終わってハンドルを直進状態に戻す
6)アクセル全開!

と、まあこんな感じです。注意すべきは「2)タイヤはスリップし、ごくわずかな時間アンダーステア状態に。」ですね。

 どんなにグリップのよい高級タイヤでも、この現象は発生します。ただ、この現象を少なくすることはできます。それは、「ブレーキを踏む、あるいはアクセルオフでフロント荷重を高める」のです。

 漫然とハンドルを切った時と、ブレーキあるいはアクセルオフしたタイミングでハンドルを切った時の
曲がりっぷりの違いに驚くことでしょう。タイヤの食いつきが違います。

 では、車が曲がり始めるタイミングはどこか。それは「直線の終わり」です。コーナーに度胸一発でハンドル切り込んでいっても、決して速くはなれません。それどころかアクセル踏んでないですからコーナーリング中にブレーキ→アクセルの踏み替えをしているわけで、これは車が不安定になりますし、その間惰性で車が動いているだけ。速いはずがありません。

 基本は「直線の終わりで(限界速度まで)減速し、コーナーリング中はアクセルを限りなく全開に近く」です。

 これを一番よく体験できるのが、雨の日です。無理突込みするよりも、減速→全開の方がはるかに速い(でも車がものすごくロールします。ちょっとビビるかも)。

 と、言うわけで「スローイン・ファーストアウト」の正しい読み方は、「直線の終わりで(限界速度まで)減速し、コーナーリング中はアクセルを限りなく全開に近く」です。ただしハイパワー車は全開は無理です。タイヤが負けちゃいます。

 コーナーの限界速度はどうやったらわかるかって?
そんなのやってみるしかないじゃないですか(笑)。でも、それでコースアウトしても責任は取りませんのであしからず。


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