Rally Driver Takero Oda 織田岳郎

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2005/08/24 2001年パイクス・ピーク(2)

6/30 レース当日
1:30に起床し、フロントに確認すると「荷物が届いている」という。あわてて受け取り、洗濯をしてから、「今日は天気も良いだろうから」とTシャツに半ズボンという格好でホテルを出発(この判断だけは間違いであった)。途中のコンビニで新聞、水、食料を買って、つい先ほど走ったばかりの道を稲垣チーム一行が投宿しているホテルまで運転する。真っ暗な道を逆にたどっていくのも何となく不安になったが無事に到着。部屋にいくと稲垣さんは例のブルーを基調とするレーシングスーツ(もちろん長袖、長ズボン)を
着込んでいる。「本番を迎えると、らしくみえるのだなあ」と感心していると、メカニックの人もずいぶんと着込んでいる。「長袖持ってきている?」と聞かれたので、「車の中にあります」と返事。「よし、では行くか」と慌しくホテルを出発したのであった。

真っ暗な道を50〜60マイルで追走しながら、ピットまで到着。「俺たちはここで準備をするから」といわれ、邪魔にならないようにしているとオフィシャルの爺さんから「関係の無い車両はここから出なさい」と言われる。(実はこの爺さんはオフィシャルの重鎮だった)

 通訳の方が「デビルス・プレイ・グランド」の場所を教えてくれる。

 稲垣さんのスタートは9:35分頃、車両カテゴリーとして2番目のクラスになるらしい。スタートだけ見たのではつまらないから、最高の場所で見るために移動を決心する。

 「その格好(Tシャツに半ズボン)で大丈夫? ジャンバー貸そうか?」とのお心遣いに「大丈夫です」と元気に返事をすると、「山道(注:ここからは競技コースと同じ道)は照明が無いから、ゆっくり行かんと、下まで落ちるで」と心に染みる助言をもらう。
寝ぼけ眼で山の上に上がっていく観戦車両に続いてレンタカーの運転を再開する。

だんだんと周囲の木々が無くなり、目標物がなくなると、薄暗いヘッドライトの先には茶色の土しか見えない。「どこまでが道なの?」「ここまで?」と不安だらけの運転でしたが、ようやく観戦ポイントまでたどり着くと懐中電灯を振って誘導しているオフィシャルがいた。(5:00頃)「車はどこに止めるの?」と聞くために窓を開けると、寒いこと限りなし。オフィシャルの格好は、スキーウェアのいでたち。そうか、自分の頭の中には「高山病になるかも知れない空気の薄いところ=標高の高いところ=寒い」という感覚がまったくありませんでした。ここは標高3895m、富士山山頂より高いところでした。

 「じゃあ、もどって服を」と思ったが、下から登ってくる車両ばかりで下ることも出来ず、あきらめて薄手の長袖1枚を着て車内で朝食にする。

 朝食後、簡易トイレが10数台設置してあったので、小用を足しに行くと猛烈な寒さ(当たり前)。慌てて車に戻ろうと小走りしたとたん、頭が「クラクラ」としてきた。「ヤバイ」と歩行スピードを落とし、がたがた震えながら車内にたどり着く。20〜30分おきにエンジンをかけてヒーターをつけて仮眠をとる。

 8:30頃ようやく日が登ってきたが、外気はまだ冷たい。

車内で木曜日の練習走行死亡事故の新聞記事を読んだ。今回死亡したのは、コロラドスプリングス在住の地元選手。車両がコースアウトして回転しながら下へ落ちていく。道路の下のほうに切り株があり、その切り株が車両の天井を突き破る。回転している状況ではシートベルトを外すことができず、座席に固定されたまま頭部を強打したことが直接の死亡原因だったそうだ。

防寒のため、手足にはサンオイルを塗り、新聞の不要なところを腹部と背中に入れ、車外に出た。これで持たなかったら、エンジンオイルを足に塗りこむつもりでした。

 他の観客は長袖、長ズボンに、ジャンバーをきて、毛布にくるまったり、寝袋に足を突っ込んで椅子にすわっている。暖かそう。自分は少し風が吹くだけで刺すような痛みを感じた。

 観客の持参してきたラジカセからAM放送が流れている。ローカル放送でどうやら開会式の様子が放送されているらしい。(聞き取れなかった)

 観客の一人で黄色いジャケットを着た人にシャッターを押してもらい、「僕の友人が日本から参加している。僕は昨日ここについたばかりだ。」と雑談をする。

 若干の風が吹いていたので、コーナーの金網に設置してあった広告幕の裏側へ行き、風をしのぎながら、太陽の光で暖をとった。


 9:25 澄み切った青空のもとで、観客がいっせいに立ち上がった。「いよいよ1台目のスタートか」と思っていたら、ラジオからアメリカ合衆国国歌が流れてきて、パイクスピーク山に響き渡る。日本のように歌っている人は少なかったが、とてもクリアーな気分。


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